不 完 全 な 少 年 少 女 。

完全少年

ぼくという名の付くものが産まれて早16年
ぼくは一体何をしてきたんだっけ?

ただ人よりも 苦手なことが少しだけ多かっただけだ なんて
格好良い事は言えません

それすらも 出来ないほどぼくは臆病だから

同情の色が見え隠れする他人の言葉は
甘ったるい香りを放つどろどろに煮溶かしたチョコレートのよう
甘い物は苦手です・・・

ぐちゃぐちゃに踏みつぶされて
「おまえなんか要らない」と言われました

誰もが可哀想と眼を細めたけど
ぼくはとてもそうとは思えませんでした

誰もが「どうでも良い」と笑うような事が ぼくにとって大事でした
人より少しずれてると言われました・・・・・

ぼくの時間が、いつの間にか無くなっていました

泣いた事だけはやけにはっきり覚えている なんて
可笑しいですか?

嘆いた言葉を拾ってみたら
落ち葉のように死んでいました

問題が罠のように手を伸ばしてきたけれど
どうする事も出来なくて
ぼくは拒絶をしてしまいました

窓の外の人々を見て
“アレ”を目指していたんだ と 不意に思い出しました
今、ぼくは、 立派に“アレ”からは程遠くなっています

こんなぼくでも 生きていました、なんて言ったらどんな顔するのかな
ぼくの方が酷い顔かもしれません

もし、ぼくが 最初で最後の
ぼくがぼく為だけに 何かねがいごとをしたら
神様は叶えてくれるのかな

そう、例えば ぼくが微笑めますように・・・とか


提供:セレスト様

死に損ない



繰り出した 答えは間
見失った 気味が悪いほどのポーカーフェイス

どうしたんだ?
もう 追いかけてこねぇのか

逃げる度 鬼ごっこなんて
幼稚でも 頷けるほどのロングロンリータイム

何してる?
なに その内やってやるさ

約束行為自体
存在理念壊すように

偶像崇拝主義な
この世の中に終止符

見てみろこんなに 書物とペン
指さされて言われるほど 落ちぶれちゃいないさ


「この死に損ない!」


あんたが 見せるのは
綺麗な世界 まばゆい光

ありがちだけど
隣にいてもいいか?

探り出した 答えは未來
見失って キミが罪悪感なポーカーフェイス

どうしたんだ?
もう 止めにしちまうのか



少年少女聖歌



その手には乗らないよ
その手には乗せらんない


甘いルージュ一つで
騙される気はないから


ネイルが浮き始める度
心も疼く一時


ぼんやり手拍子が
曖昧パドルをあげたりして


寄り添う陰も華仕草
多分出会うのも難しい


ねえまたさよなら繰り返したりして
約束できないまたねは辛いよ


奇妙な劇の中僕らは歌う
転ばされて踊らされて 僕らは嘆く


偶然の中には必然はないと
そうね すべては偶然


仕組まれた・・この感情も
あの子の目の輝きも

不完全少


あたしの朝は死ぬほどゆっくりと始まる

死ぬほど遅い朝が過ぎて 憂鬱な昼が始まる。
罪悪感に襲われて 何も考えたくなくなるから
あたしは何時間も 必死に口に何かを押し込んでいた

もしも自分が正常なら 今頃何をしているだろうか?
「羨ましい」と感じているのは自分のハズなのに
どうしてこんな気分になるのだろう

慰めの言葉が気にくわない
慰められると「自分が間違ってる」って思ってしまうくらい
あたしは捻くれてしまっているから

あこがれの人が出来ました
その人は自分と何処か似ているようで 全てが正反対の人でした
あぁ きっと あたしはああなりたかったんだ

年始に買ったスケジュール帳
とにかく文字でいっぱいにしたかったんだ
そしたら 正常でいられる気がしたんだろうね

みんなが笑って言う事を あたしにも笑って言わせてください
みんなが普通にやる事を あたしにも普通にさせてください
みんなが言った「だるい」事を あたしはとてもやりたかった

言葉に出来なかったから ただ指先を動かした
音にしたら何か伝わるだろうか?
誰も居ない部屋で呟いてみた

この光景を 何度夢見たんだろう
此処で笑っていたはずなのに と 何度泣いてしまったんだろう

夕方 一番憂鬱な時間が始まった
子どもの帰る声が聞こえる
どうしてあたしは此処に居るんだっけ・・・

おやすみの日が好きな理由
気兼ねなく外にいけるから
平日の休みなんかとは 全然違うんだから

あなたは大丈夫だから 何て言うけれど
あたしは不安でいっぱいだから
だってあたしはあたしのことを「出来損ない」って思ってるから

それでもあたしは此処にいました
まだあんなに日はのぼっているのに
まだ日曜日なんかじゃありはしないのに

それでもあたしはちゃんといました
考えたくないと思ったら
何処かに連れて行って欲しいと言いながら

人の目が怖くたって
本当は人が好きだから

倒れてしまいそうになったって
それでもそこが好きだったから

あたしは外れた 不完全少女でした

それでもあたしは 生きていました


14歳。





たまにはね たまにはね 朝から晩までチャットしたいの
たまにはね たまにはね 意味もなく一人で泣いたりするの

たまにはね たまにはね 誰かに頭を撫でられたいの
たまにはね たまにはね ハメも外してみたいのさ

調整役なんてね 歯止め役なんてね
大人はいうけど バカだってやってみたいのよ

非常識な事と 子どもっぽい事ってのは
ちょっと違うでしょ? 大分違うよね

大人な訳じゃないの
くだらない事にぐちぐち言いたくないだけ なのよ

たまにはね たまにはね 眠い目を擦って話してみたいの
たまにはね たまにはね 爆発寸前 叫びそうになるの

それがね それがね 変な奴って思われてるの?
それはね それはね ずっと溜めてきたの 分かってくれないのかなぁ・・

捻くれてるなんてね 意地っ張りなんてね
分かってるの でもどうにもならないじゃない

あの子は仕方ないってね どうして私はそうならないの?
大人っぽいから? それとも無口だからかなぁ・・

だからしょうがないわ
来もしない未来夢見たりして また自分を撫で付けて眠りに付く

明日の夜明けと出会いを胸に
私は今日も私を欺す

でもね やっぱりね
たまにはね たまにはね
誰かに思い切り抱きしめられたりしたいのよ

END